新生血管対策の治療方法覚え書き

光線力学的療法(PDT)

黄斑変性症の治療として、以前までは、熱性レーザーによる光凝固治療が行われていましたが、今はほとんど行われなくなり、代わりに、光線力学的療法(PDT)というレーザー手術が行われているみたいです。

光凝固治療(熱性)と光線力学的療法(PDT)では、黄斑部へのダメージの少なさに大きな違いがあります。

■2種類のレーザーの違い

  • 光凝固治療:手術後に大きな黒点が残る
  • 光線力学的療法:手術後に小さな黒点が残る

どちらも、新生血管を破壊することができますが、光凝固治療では、中心窩〈ちゅうしんか〉の広さで組織を破壊してしまうために大きく黒い点が残るそうです。光凝固を行うという適応は未だに残っているものの、この治療方法では熱によって組織を破壊するようです。

光線力学的療法の場合には、中心窩の中央の一部のみで防ぐ事が出来ますが、レーザー治療の場合には、失明のリスクを抑える代わりに、網膜の一部を焼いて視力が無くなる部分ができてしまうというデメリットが残るそうです。

副作用等はありませんが、視界の一部を一生失ってしまう事になるそうです。

また、レーザー治療をしても症状が改善されなかったり再発をするというケースもあり、必ず良くなると断定できるものではありません。他にも医療費の高さや、視力が0.5以上の場合には保険適用されないなどの適合条件もあります。

レーザー治療には、その性質上色々なリスクが伴いますので、些細なリスクも見逃さないように、インフォームド・コンセントはしっかりと行わなくてはなりませんね。

新生血管の発生原因に働きかける抗VEGF療法

抗VEGF(血管内増殖因子)薬とは、その新生血管を作り出す信号の働きを抑制するもので、抗VEGF薬の投与によって、新生血管が作り出されるをの予防する為の薬だそうです。

治療方法は、眼の強膜から硝子体内に薬剤を注射します。

抗VEGF療法や光線力学的療法(PDT)が利用される前までは、熱性レーザーによる光凝固手術が主流でしたが、新生血管の発生を出来なくするのと引き替えに、その周辺にある網膜組織も焼き切るというリスクが有りました。

抗VEGF療法は、新生血管の発生原因にのみ働きかける事が出来るので、治療後の不便さを軽減することができます。

加齢黄斑変性症の代表的な治療方法である抗VEGF療法や光線力学的療法(PDT)なら暗点が出来ても最小限に留める事が可能なようですが、失明リスクを下げられる見込みは有っても、視野の一部欠損する恐れや定期的にな治療と経過観察が必要となります。

継続的治療に注射が伴うという事は、眼球内で炎症を引き起こすリスクがある事も忘れてはなりません。

根治ではなく、一時的な症状改善。これをどのように捉えるかによって、治療の手段として受け入れるべきか検討しましょう。今後も研究が進み、より根治に近い形の治療方法も期待されますが、それには、まだまだ時間がかかりそうです。

新生血管の発生を引き起こす信号を抑制出来ても、その信号がなぜ発生するのか。そこを追求すると、その原因は、生活習慣の中に隠されているかもしれません。こうした治療方法を取り入れるとともに、そうした生活における要因にも着目する事で、改善の余地が見えてくるのかもしれません。

新生血管はなぜ出来る?

黄斑変性症と関係の深い新生血管の発生ですが、中でも、日本人に多いウェットタイプの黄斑変性症の場合には、新生血管が大きく関係しているそうです。

まず、新生血管は、活性酸素や老廃物、または、細胞が酸欠状態に陥った時に出来やすいと言われているそうです。

本来は、血管が無くても細胞の中を伝わって栄養や酸素が運ばれるハズが、なんらかの異常を感知すると、細胞が壊死してしまうのを防ぐ為に新生血管が毛細血管より伸び始めます。

ですが、突発的にできた血管というものは、元々ある毛細血管と比べても非常に壊れやすく、出来ては壊れるを繰り返し、壊れた新生血管と血液が溜まってしまう部位ができます。それが、黄斑(中心窩)下の脈絡内部です。

特に黄斑部は、視点の中心であり視力が一番優れている部位でもあるという事、また、網膜を強い光による外部刺激から守る栄養素も集中して含まれている部位です。このような事も関係して、新生血管が出来やすいのだと言われているみたいです。